ちやま式Blog

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Dell XPS 13 (9300) を約1か月間使用した感想 - 熱設計の限界を感じさせる優等生

 みなさんこんにちは。ちやまです。

 学生であれ社会人であれ、新生活を始める際にパソコンを新調する人は多いと思います。私も秋からのアメリカ留学に向けて候補となる機種をいくつか選定しているのですが、今回はその中の一つであるDell XPS 13 (9300)をデルアンバサダープログラムよりお借りできたのでレビューしたいと思います。ちなみに2021年5月現在の最新機種は第11世代Coreを搭載したモデル9310ですが、今回レビューするモデル9300との違いは搭載しているCPU以外には殆どないので、9310を検討している方にも参考になると思います。(モデル9310の購入を希望の方は下のリンクからどうぞ)

 

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Dellホームページより引用

今回お借りしたモデルの構成スペックは以下の通りです。

・CPU : Intel Core i7 1065G7

GPU : Intel Iris Plus Graphics

・RAM : LPDDR4X 3733MHz 16GB

・ストレージ : 512GB NVMe SSD

・ディスプレイ : 13.4インチ4K UHD+ディスプレイ (3840x2400px, タッチ対応)

 

  XPS 13はDellから販売されているXPSシリーズの主力機で、モバイルノートの代表格ともいえる存在です。重量こそ1.2kgと特別軽いわけではありませんが、その薄さと細いディスプレイベゼルのおかげで、持ち上げた時の感覚は数字以上に軽く感じます。

ディスプレイとスピーカーは最高

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 長年XPS 13は上辺と左右のベゼルが細い三辺ベゼルレスデザインでしたが、今回からディスプレイのアスペクト比(縦横比)が従来の16:9から16:10と縦に長くなったことで、四辺すべてのベゼルが細くなり、より一体感が増したように思います。ここ数年でアスペクト比が16:10や3:2などの縦方向の情報量が多くなるディスプレイを搭載するのがトレンドになっていますが、このXPS 13 (9300)も例外ではありません。ディスプレイは最大で4K UHD+解像度(3840x2400px)のものを選択でき、タッチパネルを搭載することもできます。今回レビューしているモデルも4K解像度かつタッチパネル搭載機です。私は普段表示倍率を200%にしているので実質フルHD+(1920x1200px)相当です。ちなみに、タッチパネル搭載機では重量が1.27kgと少し重くなるので注意しましょう。

 また、スピーカーの音質や音量に関しても、モバイルノートの中ではかなり優れている方ではないかと思います。ただ、スピーカーの音質は人によって感じ方がかなり異なりますので、これは実際に実機を触ってみないと伝わらないと思います。私は普段イヤホンでBGMを聴きながら作業することが多いのですが、XPS 13でこのブログ記事を書いている時は、イヤホンなどは接続せず内臓スピーカーで再生していました。

良くも悪くも妥当なパフォーマンス

 このモデル9300で選択できるCPUは、この記事を執筆している時点ではIntel Core i7 1065G7のみです。第10世代Coreシリーズの上位モデルで、ブラウザベースの作業やOfficeアプリでの作業では何の不満も感じさせない性能を発揮してくれます。この記事もXPS 13で書いていますが、打ち心地の良いキーボードと合わさって、非常に快適に執筆することができています。

 グラフィック性能もモバイルノートしては高い部類で、なんとあのGTA5ですらデフォルトのグラフィック設定なら一応遊べるレベルで動いてくれます。ちなみにバイオハザードHDリマスター版も試したのですが、こちらは謎の音ズレが発生してプレイできるレベルではありませんでした。まあ、モバイルノートでゲームをしようなんて人はあまりいないと思いますが…。ちなみにバッテリーの持ちに関しては、正確に時間を計測したわけではありませんが、先ほど述べたような軽い作業なら、1日2時間ほど作業するとして、3日くらいは平気で持ちます。

外部接続はイマドキの…

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向かって右側。こちらにはThunderbolt 3/USB-Cポートとオーディオジャック

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向かって左側にはThunderbolt 3/USB-CポートとmicroSDカードスロットがあります。


 モバイルノートで犠牲にされがちな外部接続ポートですが、XPS 13でもそれは例外ではなく、2つあるThunderbolt/USB-CポートとmicroSDカードスロット、そしてオーディオジャックのみです。でも安心してください。USB-C to USB-A変換アダプタが同梱されてますよ。

唯一のデメリットは熱設計

 さて、ここまでディスプレイや性能面での良い点をお伝えしましたが、このマシンにはそれらの利点を吹き飛ばしてしまうほどの残念な点があります。それはファンの騒音と発熱です。私は充電中は電源モードを「最も高いパフォーマンス」に設定しているのですが、そのせいか充電しながら作業をしていると冷却ファンが高速で回り、キーボード奥側と底面が非常に熱くなってしまいます。それ自体はPL1/PL2と呼ばれるCPUの消費電力制限の都合上ノートパソコンでは顕著なだけなのかもしれませんが、問題なのは、この症状がウェブブラウジングや動画再生など比較的負荷の軽い処理をしている時にも表れることです。いくら充電しながら使っているとはいえYouTubeを観ているだけでここまで熱くなられてはたまったものではありません。充電しながら使いたい場合は、電源モードを変更するか、膝の上で使うのを諦めるしかないでしょう。

XPS 13が最強になるためには

 で、ここからはあくまで私の想像になるのですが、おそらくこれはXPS 13特有の問題というより、IntelAMDなどのx86系CPUを搭載したモバイルノート全般に広くあてはまることなのではないかと思います。薄さを重視して設計されたモバイルノートでは、CPUが発する熱を十分に逃がせるような冷却機構を搭載することは不可能なのでしょう。実際、ここ数年で台頭してきたARM系SoCを搭載したノートパソコンの方がx86系CPUを搭載したノートパソコンと比べて発熱が控えめであると言われています。ARMを採用しているM1チップ搭載のMacBook Airファンレス化できたのがいい例ですね。

 逆に言えば、XPS 13がARM系SoCを採用するようになればこの欠点は潰され、気にならなくなる可能性が高いです。IntelAMDもプロセッサの電力効率を向上させようと日々改良してはいますが、元々消費電力の制限が厳しいデバイス向けに開発されているARMと電力効率の面で真っ向勝負するのはまだまだ厳しいところがあります。とはいえ、絶対的な性能の面では、現状Windowsパソコン向けのARM系SoCはCore i3Core i5程度の性能しか出せないため、Core i7を搭載するXPS 13をARM系SoCで置き換えるにはもう少し時間がかかるでしょう。(そもそもやるのかすら分かりませんが…)

 

結局ちやまはXPS 13を買うつもりはあるの?

これはにかなり難しい選択になるんですが、先ほど述べた発熱問題が解決しない限り、私がXPS 13を購入することはないと思います。素晴らしいポイントはたくさんあるんですが、やはり発熱がすべてを台無しにしてしまっている、と感じています。発熱を無視できるのであれば、このXPS 13は買いなモデルだと思います。この記事が少しでもXPS 13を買いたいという人の助けになればと思います。それではまたお会いましょう。